2011.08.30 (Tue)
Road to 「シマノ鈴鹿ロード2011」 #2































この日、初めて自分たちはチーム名に追いついた。
名実ともに、「チーム北上SOUL RIDER」となった。
世界中の機材なんか、カネさえ出せば誰にでも買える。
100万円も出せば、ツール・ド・フランスで見るようなものがカンタンに買える。
「チャリ」だから100万円が高いと思うだけで、自転車のポルシェ・フェラーリだと思ったら安いもんだべ。
100万円じゃあ、軽トラックしか買えないし。
でも、そんな機材にまみれて田舎のたんぼ道ばかり走っていて楽しいか?
そういうのって、よく公民館事業とかでおこなわれる、スンゲー高価な着物を着て演歌にあわせて踊る婆さんたちと一緒でねーか?
ずーっと、鈴鹿に行きたかった。
一万人のサイクリストが集う大会というものを、肌で感じたかった。
けれども、なかなか実現しなかった。
理由は。
・・・遠い。
そのたびに地球儀を持ち出し、ほらこのウンコみたいなのがニッポンで、北上から鈴鹿までは1㎜もないんだよ、と言い続けてきた。
かつてサーフィン関連の雑誌をやっていた。
ま、そのおかげで東京もサラリーマンもキャリアも全部捨ててドロップアウトした、サーファーのせいで人生観が180度変わってしまってね。
あのね、そこいらのサーファーねーちゃんにーちゃんが、お正月になるとハワイに大挙して繰り出すのさ。
金満ゲーノージンがステイタスで行くのと違って、3万円ぐらいしか持っていないのにハワイにいって一ヶ月ぐらい平気で暮らしてくるのさ。
理由?
ただひとつ、お正月のハワイは波が最高だから。
サーフィンのネットワークで居候して楽しんでくるんだね。
そして帰ってくると、そこはがんじがらめのニッポンだから、電話が止められたり電気を止められたり。
せっかくだからハワイの記事でも頼んで、少しはラクさせたあげようなんて考えても連絡つかず、みたいな。
お正月のハワイに限らず、バリだオーストラリアだと気軽に行っちゃう。
そこにあるのは、波のいいところに行きたい、というキモチだけなんだよ。
しかるにオレは、時間と規則とノルマと管理の中にはまり込んで、それを逆に享受している、と気がついたときにすべてがアホくさくなってしまったってワケ。
行くこと、見ること、知ること、はいくらお金を出しても買えない。
映像が液晶に変わってキレイになろうと3Dになろうと、インターネットで世界中が見えると錯覚しても、現場に行かないことにはなにもわからない。
自分が田舎っぺだと認識したときに世界は変わる。
自分がスゴイと錯覚したときに世界は閉じる。
この3日間、パソコンもテレビも新聞もまったく必要なかった。
ブログのことなんか、アタマの片隅にも侵入してこなかった。
世界中のどこかでいろんなことが起こっているんだろうけれど、まったく気にならなかった。
それは、この3日間が、なにものにも代え難い最高の時間だったから。
言葉がいっぱい生まれた。
なんたって初めてのことだらけだったから。
でも、それらを全然伝えきれない。
伝えるのがもどかしい反面、自分の中にしまっておきたいキモチも大きい。
でも、お客様と一緒にいろんなことを経験して、一緒に楽しみ喜べる仕事ってそんなにないよね。
信頼して、すべてをまかせてくれるお客様とのかけがえのないひととき。
自分じゃあない、みんなが鈴鹿に連れてってくれたんだ。
片道12時間以上、その道のりを駅伝のようにドライバー交代してつないだ。
これも、チームプレー。
自分はそれを記録として残すことしかできないが、自転車屋をやってて良かったと、初めてココロから思った・・・。
スポンサーサイト
この記事のトラックバック URL
この記事へのトラックバック:
| ホーム |