2011.11.08 (Tue)
14年前・・・

しゃがんで仕事をしていたら、背後から「この自転車乗りたいんで直してもらえますか」という声がして振り向いたらコイツがいた,ギョギョギョ。
これは14年前の1997年モデル。
まさにカーボンモノコックの一体構造フレームで、現在のロードバイクの主流となっているスローピングフレームの原型となったモデルだ。この理論を継承してモノコックではなく安くパイプを使って量産することを考えると、トップチューブがマウンテンバイクのようにスローピングしたバイクにるってワケだ。
マイク・バロウというイギリスの変人みたいな科学者が考案し、GIANTが採用して今のロードバイクの主流となるスタイルが始まったのだ。
しかし、ハンドルステムの形状やペダルなど、細部を子細に見ればあちこちに古さを感じるが、自転車に詳しくないヒトが見れば、2012年の最新バイクと言ってもわからないんではないべか。グッドデザインとはソーユーもんなんだね。
このバイクを14年前にサイクルショーで初めて見たときは、どーせ売れねーだろうけど、お店に展示しとけばこれ一台だけではったりになっていいか、ぐらいにしか思わないで速攻で仕入れたんだが、Eさんというトライアスリートが、まさに一目会ったその日から恋の花咲くこともある状態になってしまって買う買うって言うんだけど、内心では「やめな乗るの恥ずかしいよ」と思いつつこっちも商売、あっという間にお嫁に行ってしまったバイクであったのだ。
さてこのバイク、Eさんの次に同じ仲間のトライアスリートの手に渡り、そして昨日、箱根駅伝を2回走ったというSさんという若者がトライアスロンをやるんで乗ってみたいと、メンテナンスの依頼なのであった。タイヤはボロボロ、バーテープはミイラを包む布状態、変速レバーは両方ともビクとも動かずの満身創痍の状態で、フツーなら、「やめなカネかけるの、ムダだよ、かえって損するよ」と言いたいところだったが、なんせコイツのかつての印象がキョーレツすぎて懐かし過ぎて、今日一日かかって修復作業をしたのだった。
だって振り返ったとき、わっ、14年たってやっぱり戻ってきてしまったかコイツ、ってマジ思ってしまったもの。
しかし若かったんだね、こんなの平気で在庫したんだもの。
まだまだチャレンジ精神みたいなのがあったんだな・・・。
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